魔族物語

【路上の夢 二話】

俺が自分のことで覚えているのは、なにもない。ただ社会に酷く恨みをいだいて今に到るらしいことはなんとなく覚えている。
サラリーマンを見ると罵倒したくなるのだ。一度殴りかかったこともある。が逆に殴り倒され失神してしまった。何せ食べてないのだ。
1日に口にするのは、コンビニのゴミ箱や、飲食店の残りカスの中にあるものくらいのものだ。ない日もある。 冬場にかかった足の指の凍傷は肉を腐らせ、びっこでしか歩けなくした。

働けばと人は思うかもしれないが、どうやらそうではないらしいのだ。働いていた記憶がかすかに俺にもある。ただそれを思いだそうとすればするほど息がつまりそうな感覚に陥る。

今生きるために生きているのだ。

過去は分からない。過去からは逃げ出したい。それが本音だろう。 もしかしたら皆そう思っているのかもしれない。

白昼夢。ビルから流れる風を受けてパンの匂いがする。もうすぐとりにいける時間だ。

それにしてもさっきの女性が気になっていた。 あの悲しそうな目が。




[先頭ページを開く]
[指定ページを開く]


<<重要なお知らせ>>

@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
@peps!・Chip!!は、2024年5月末をもってサービスを終了させていただきます。
詳しくは
@peps!サービス終了のお知らせ
Chip!!サービス終了のお知らせ
をご確認ください。




w友達に教えるw
[ホムペ作成][新着記事]
[編集]

無料ホームページ作成は@peps!
無料ホムペ素材も超充実ァ