草が囁いた。 僕に花咲く蕾はあるのかな? 隣の庭から花は答えた。 君は草だろ?草は一生草だよ。 草はまた囁いた。 でも僕も花を咲かせたいんだ。そしてたくさんの人に喜んで貰いたいんだ。 花は答えた。 だから無理だよ。草としての役割すら果たしてないくだらないお前に何が出来るの? 草はまた囁いた。 そうなんだ。じゃあ花さん、花を咲かせてどんな気持ちなの?? 花は答えた。 楽しいし、気持ちいい。あの子もどの子も皆見てくよ。お前には分からないだろうけど。 空には雨の降りだしそうな巨大な入道雲が近付いてきました。 ポツリポツリと 気が付けば バケツを反したような土砂降りに。 花は叫んだ。 落ちる!落ちる!助けて! 草は答えた。 花さん頑張って!落ちたらダメですよ!君は僕の憧れなんだから。 花は最後の一言を残して地面に落ちました。草くんごめんね。 草は泣きました。 季節は流れ。 大花火と一緒に やがて 静かになりました。 草は囁いた。 葉っぱさん虫はもういなくなったの? 葉っぱは答えた。 ありがとう。もういなくなったよ。お陰で最近よく寝れるよ。 草は囁いた。 良かったね。それは君が痛みに耐えたからだろ?君はちっとも負けてなんかないよ。 葉っぱは答えた。 草さん。いや、秋の花さん。君のその黄金の花びらを見てると何故か元気になるんだ。だから僕は負けなかったんだよ。 ありがとう。 [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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