*拍手連載〜壱頁〜*
※拍手連載につき、名前は固定です。
(主人公の詳細設定・掲載以前の話はMainへ)





君と僕は男同士。



けれど恋仲だ。



あまりおおやけには出来ない。



それでも僕らは…



お互いのことが大好きなんだ。










*君と僕の恋愛録6*
 〜特別なひと〜







奏多君がこの世界に来て、僕と恋仲になってから、ひと月半が経った。



今日は一番組が非番の日。



だけど奏多君は稽古したり、勉強したりしなくちゃいけないから忙しいだろうな…





(さて、何しようかなー…)



子ども達に遊んでもらったり、土方さんを罠にはめるのも良いんだけど…



久しぶりにお団子でも食べに出掛けようかな。



天気も良いし。





「総司、」

「!」



玄関へ向かおうとしたら、稽古を終えたばかりなのだろう、額に汗を浮かべた奏多君が声をかけてきた。



汗を拭ってあげると、「ありがとう」って笑いながら言ってくれた。
(だから格好良すぎるってば///)





「それで奏多君、僕に何か用があるんじゃないの?」

「ああ。今日…何か予定はあるか?」

「え?ううん、特にないけど…」

「じゃあ、オレとデートしないか?」

「でぇと?」



…って何だろう?



外国の言葉みたいだけど…



「わかりやすく言うと、恋仲の人間がどこかへ出掛けるってことなんだが…」

「へぇー…って、それって…///」

「一緒に出掛けないか、って誘ってるんだが…」



そう言った奏多君の頬が、僅かに赤くなっている。





今まで奏多君と一緒に出掛けたことは何度かある。



でもそれは巡察だったり任務だったりと、奏多君に色々と教えるためのものばかりだった。



だから奏多君に誘われるのはもちろん、こうして出掛けるのは初めてだ。





「僕が断るわけないじゃん!」



そう言って奏多君の腕に抱き着いた。





「着替えてくるから玄関で待っててくれ」と言って、僕に口づけをして部屋へと戻った奏多君を見送ると、僕は玄関へと急いだ。















街へ出ると、流石京の都と言うべきか、人々の活気で賑わっていた。



そんな中、僕らは手を繋いでいた。





「─っ///」



やっぱり男同士というのは珍しいし、目立つのか、さっきからちらほらと僕らを見てくる人達がいる。



まあ、大半は奏多君を熱の篭った目で見ては騒ぐ女の子達だ。



けれど奏多君はそんな視線には目もくれず、僕の手を離すこともせず、堂々としていた。



「ふふっ、」



思わず頬が緩んでしまう。



だって、女の子達が見惚れる程の人を独り占めしてるんだよ?



しかもその人は美人な遊女や、可愛い看板娘などには、一切見向きもしない。



恋仲として、これほど嬉しいことはないんじゃないかな///





嬉しさに浸っていると、奏多君が「どこか行きたい所はあるか?」と聞いてきた。



「奏多君は?」

「オレはどこでも。だから総司の好きな所でいい。」

「んー、じゃあ僕の行きつけの茶店に行かない?」

「茶店?」

「うん。そこのお団子がとても美味しいんだ。」

「じゃあそこにするか。」



その言葉に、僕は奏多君の手を引いて歩き始めた。







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